粉末冶金材料は伝統的な溶鋳技術では得られない獨特な化學組成と物理、力學性能を有し、例えば材料の空隙度が制御でき、材料組織が均一で、マクロ偏析がない(合金が凝固した後、その斷面上の異なる部位に液狀合金のマクロ流動によって製造された化學成分の不均一現象がない)、一次成形ができるなどである。粉末冶金部品にとって、力學性能の高低を決定する主な要素は焼結部品密度の高低であり、焼結部品密度の向上に有利な要素はすべて最終製品の力學性能を高めることができる。焼結體密度が大きいほど、力學的性能は高くなるが、焼結體密度が対応する緻密材料の理論的密度に達しない限り、焼結體材料の力學的性能は対応する緻密材料の力學的性能より低い。例えば、鋼では、炭素鋼(鉄と炭素からなる鉄基焼結材料)と合金元素を添加した焼結鋼に注意しなければならない。これらの強度はいずれも合金元素の含有量が増加するにつれて高くなるが、靭性と衝撃エネルギー値は低下する。そのため、鉄基粉末冶金構造部品材料の靭性と衝撃エネルギー値はすべて材料密度の低下と含有量の増加に伴い減少した。
粉末冶金構造部品の生産において、復圧と二次焼結を採用して部品の材料密度を高め、復圧は仕上げと似ており、復圧時に高い圧力を加えるのは部品材料の全體密度を高めるためだけである。二次焼結により冷間硬化の影響を除去することができる。二次焼結とは、複圧後に再度焼結を行うことをいう。そのため、復圧と二次焼結を経た構造部品は、材料密度が高いため、構造部品材料の強度と靭性を高めることができる。